龍神の巣に迷い込んだ主人公が、そこにあった卵の殻の中で眠っていたところ、龍神に自分の子供だと勘違いされてしまい、そのまま他の子供達と一緒に育てられる。
どうやら、卵の殻の主は人間に捕まった龍神の子供らしく、助けに行こうとするのだが……。
という感じで、人間の醜い部分によって起こされたもののけの一家の悲しい物語を描いている。
人間ともののけの、どちらのキャラクターも非常に可愛く描いていて、物語の安定感も含めてさすがの完成度。
財賀アカネ「コールドアパートメント」が少し変で気になる。
連載3回目だと言うのに、ストーリーが全く分からない。
とにかく独特の雰囲気を持つ絵の力でぐいぐい引っ張られるという、今までに無い感覚を味わえる不思議なマンガ。
押切蓮介の読み切りが掲載。「ひかりの森」
江戸時代ぐらいを舞台にした、とある村の猟師の男とその娘の物語。
猟師の男は妻を亡くした事で猟に対する意欲を失ってしまい、そのため家が貧乏で年頃の娘はそのことに不満を抱いているのだが、ある日、森に入った娘は不思議な体験をすることになる。
歴史ものは珍しいが、押切蓮介の泥臭い絵が妙にハマっていて、不幸に見舞われる美しい娘の悲しい運命に引き込まれる。
全号で「ミスミソウ」を完結させた直後に新作の読み切りを発表と、相変わらず精力的な活動を見せているのはノリに乗っている証拠か。
見ル野栄司「漫画家墓場」は多分掲載誌を間違えている気がするので少し勿体無い。(「工場虫」ほどでは無いが)
もののけ草紙 1 (2008/09) 高橋 葉介 商品詳細を見る |
ミスミソウ 1 (2008/03/17) 押切 蓮介 商品詳細を見る |