環々唯「制服ハニー」

コミック阿吽に掲載された短編をまとめた、環々唯のデビュー単行本。

さすがにまだ絵柄が安定していないので、作品ごとに雰囲気や完成度が大きく違うのだが、それもまた魅力の一つか。

全体的に、画面内の書き文字の多さによって雑然とした印象が強く、少女漫画の影響が色濃く出ている画風と合わせて、少しTLっぽい雰囲気も持ち合わせているのが特徴。

阿吽らしく、1作品あたりのボリュームが多いため、濡れ場に入る前の日常シーンに多くのページを割いていて、そこで繰り広げられる軽いドタバタが読んでいて楽しいので、おそらくエロ抜きでも成功する作家だと思われる。

登場する女の子はほぼ全員巨乳で、学園モノが半分ぐらい。

ちなみに、作者の名前は「かんたまきゆい」と読む。



「トイプリ」

某国のお姫様が日本に留学にやって来て、主人公と身分違いの恋に落ちかけるのだが、実は姫には日本に来た本当の目的があって……。といった感じで、姫とそのメイドを交えたボリュームのある乱交モノを描いている。

リボンの形になっている、ティアラのデザインが秀逸。

あと、地味に下着の描き方が凄い。


「飴より甘い鞭」

Mの女の子とSの男の子のカップルの話。

女の子にトイレでオナニーしているところを携帯で実況させるカラーページから始まるのだが、それ以降は特に変態的なプレイにはならずに、普通にラブラブなエッチを描いている。

女の子のデザインが、プリキュア5の主人公っぽい。


「子猫じゃらし」

「飴より～」の続編で、クラスメイトの女の子（姫カット）を交えての3P。

巻末に収録されている「いい夢エロ気分」でも3Pを描いていて、これもまたボリューム満点でエロい内容となっているため、これは今後の作者の武器の一つになるかも知れない。


その他の短編は、お互いに思いを寄せ合っている男女の初体験を描いた作品が多いため、少女漫画っぽい画風と合わせて、とにかく甘ったるいラブラブなエッチを堪能できる一冊となっている。