月刊 IKKI (イッキ) 2009年 09月号
表紙&新連載、三友恒平「必要とされなかった話」
とある貧乏な村に住む少年は、もうすぐ結婚をする美人の姉と二人で暮らしていたのだが、ある日食料庫が火事になり村全体が食糧難となってしまう。
そこで村長が下した決断は「口減らしの為に何人かを村から追い出して森に捨てる」というもので、少年はその一人に選ばれてしまう。
森に捨てられた少年は、一緒に捨てられた村人に怪我の手当てや食料をもらったりするのだが、実はその優しさには裏があって……。
といった感じで、なかなかインパクトのあるスタートとなっている。
それまでの何気ない会話が「誰を村から追い出すか」の選択方法になっていたりと、村社会で暮らす人々の残酷な部分もストレートに描いていて、立て続けにショッキングなシーンが展開されるあたりの構成の上手さは新人とは思えない。
薄い線で描かれる独特の雰囲気の絵が、妙に不安な気分にさせられる。
久しぶりにIKKIから現れた有力な新人なので、次回以降も要注目。
鬼頭莫宏「ぼくらの」特別編は、編集部判断により掲載を見送るとのこと。
おそらく、児童ポルノの規制が話題となっている時期だからだと予想される。
ぼくらの 10 (IKKI COMIX) (2009/01/30) 鬼頭 莫宏 商品詳細を見る |